追いかけろ、青。
あの試合のあと、ちょうどオフシーズンに入ったこともあって2年いっぱいまでは続けていたけど。
もう、俺自身が耐えられそうになかった。
俺は野球の神様に嫌われていて、もう2度とグローブをはめることも、ボールを持つことさえ許されないんだと自分自身を呪った。
『友利、本当にこれでいいの…?』
『…これしか…駄目なんだよ』
『そんなことない。…あいつにはあたしからも言っておくから…!』
『やめろ森。……俺が悪いんだから』
『……友利、』
たまたま飛んできた野球ボール。
グラウンドから聞こえる金属音。
少し前までは一緒に練習していたチームメイトたちの、こだまする声。
『っ、…くそ……っ』
名門校へ推薦入学すること。
17歳までに150キロを出すこと。
いつか甲子園に行くこと。
ぜんぶを諦めた───中学3年。