追いかけろ、青。
プライベートのないクラス
「校庭ひろすぎ……」
有り余る土地を遠慮なくふんだんに使った、グラウンド。
8時40分からショートホームルームが始まるため、8時半までには校長室に来て欲しいと言われていた転校初日の今日。
伯母さんが運転する車の助手席、通学路の道を教えられながらもたどり着いた高校。
「制服は来週までには届くらしいから、それまでの辛抱ね」
「…うん。ありがとう伯母さん」
「帰りは大丈夫そう?道は覚えた?」
「覚えたよ。大丈夫」
「じゃあ、頑張ってね」
畑仕事を中断させてまで、私の送り作業をしてくれた伯母には申し訳なさを感じていた。
校門前まで送ってくれると、ドアを閉めてすぐ発車される。
「今日くらいはさすがに人として、って感じかな」