追いかけろ、青。




「お前が心から応援したいのは、信じてんのは、信じたいのは……本当に俺?」


「───……」


「俺がデッドボールさせたとき。…そんとき森、真っ先に誰の名前を呼んでた?」



気づけないことって、あるよな。


自分自身で無理やりにでも蓋をした気持ちって、いつからか自分の力では取り外せなくなっているんだから厄介だ。

そんなものにすら気づけなくなって、無理にでも作った気持ちが本物だと思い込んでしまう。


だからこそ再び思い出させてくれた存在。


それはやっぱり、俺にとっては彗なんだよ。



「すげえ会いたい…」



校舎を出て、自転車を引いて、日が長くなった空を見上げて無意識。


今、なにしてんだろあいつ。
飯?風呂?それとも受験勉強?

それか、親戚の機嫌を取るために手伝いでもしてんのかな。



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