追いかけろ、青。




こいつ本当にいつもちゃんと部活行ってんの?とか。

俺と同じ受験生だけど、俺と違って進路のことちゃんと考えてんの?とか。


そもそも学校行ってんの?とか。


身内の俺が本気で心配になってくるほど、こいつは秘密主義すぎる。



「……もしかして把握してねーの、俺だけ…?」



その説、かなり有力だよな。

だって流星、母ちゃんとはいつも謎のタッグ組んでるっぽいし。


その彼女とはもう半年以上は経ってるみたいだし、俺なんか居ることすらずっと知らなかったってのに。



「おい流星。お前にとって俺って、なに?」


「……野球バカ」


「………」



これ、兄貴とも思われてねーわ絶対。


野球バカって…、俺そこまで野球しか話せない能とかじゃねーし。

一言目に野球、二言目に野球、朝の挨拶も野球、みたいな。


俺、こいつにそんなふうに思われてんの…?


母ちゃんに言われたとおり器用に両立はできないタイプだけど、弟の相談だったりにはしっかり乗りてえよ俺も。



「だって甲子園、行くんでしょ。無駄なことは省いたほうがいいじゃん」


「え?」



すると、不器用ながらにも言ってきた弟。

こーいうとき、うちの家族は大体が黙る。



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