追いかけろ、青。
それだけで新たに俺の背中を押してくれてしまうんだから、これこそ本物だと、また俺は実感させられる。
「んーっと、これが俺」
「……ぜんぜん変わってない」
「みんな言ってくるけど、明らかに伸びてんだろ身長とか」
夕食を食べ終わったあとは遅くならないうちに送るつもりだったけど、珍しく彗が俺にポツリと聞いてきた。
「友利の昔の写真とかって、ある?」と。
というわけで、ただいま俺の部屋にて、アルバムを前に2人して覗き込んでいる最中。
「本当にピッチャーだったんだ…」
「…そう。まあ、キャッチャーのが向いてるかもなって今なら思うわ」
なんでキャッチャーにしたの?
どうしてピッチャーをやめたの?
そーいうことを聞いてくる奴じゃないからこそ、俺は当時の写真を見せた。
「そっちのは?」
「あ、それはプロ野球観戦に初めて行ったときの。サインボール貰ったやつ」