追いかけろ、青。
手にした写真なんか、俺としてはどうでもいい。
でもそれがなかったら今の構図は作られていないし、手放したなら身体も離さなきゃならない。
だったら写真を取るって建前で続けるしかねーよな。
「かお、見して」
「っ、」
さらっと、下から覗き込んでみる。
いちいち反応してくれるとこ、とか。
俺しかそれ見れねえんじゃねーのって、独占欲とか。
なんか……いろいろやべえかも。
「すーちゃん?」
これ、いいよな。
宮田が羨ましくなるくらい、俺もたまにそう呼んでみたかったりする。
「っ、や、見るなバカ…」
「………」
髪の毛で隠すように伏せられると、余計に掻き立てられる何か。
無意識かもしれないし、意識的だったかもしれない。
ずっと触ってみたかった髪に触れることができたのも。
ついでに柔らかすぎる頬を包み込めたのも。
「とも、り…?」
「……いい?」
「え……、」
このまま、キスしていい───?
いや駄目だ。
甲子園行くまで、そこに届くまではって決めたのは俺だろ。