追いかけろ、青。




幸い言葉には出なかったから、俺のなかで勝手にしている自問自答だった。



「…友利、はなれて、」


「……嫌?」


「っ…、嫌とか、そーいうんじゃ、」


「嫌ではない?」



そんな反応されると逆効果なんだよ。

頭のなかでは離れろ俺って、自分でも思ってる。


けど、このまましたらどうなるんだって、どんな顔見せてくれんのかなって、そんなふうに思ってる俺もいる。



「……嫌じゃ、…ない…」



きゅっと、俺の制服が握られる。

まさかだった。
そう来るとは、まさかすぎた。



「…今のは完全にお前のせいな」


「なん、っ、」


「もう知らね」



ガシッと、両方の頬っぺたを両手で包み込んだ。


できるだけ優しくとは思ってる。

思ってはいるが、本能のまま奪いたいほうが強いかもしれない。


ただ、そこでも。


目をぎゅっとつむってくるんだから、そんなのもう確信犯だろ。



「兄貴、母さんがそろそろ早見さん送って───、」



ガチャ───、

最悪なタイミングで登場、秘密主義キノコ。



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