追いかけろ、青。
「ヨコハマ!!横浜県ってどこにあんの!?たぶんすげえ都会だよな…!?海ある!?ビルある!?」
「アホだろお前っ、横浜県なんかねーよ!神奈川だっつの!」
「てかてか!転校生とか本当に来るんだ~!」
「制服かわいい~!ブレザーにネクタイとか憧れ!」
想像していた人数は1クラスしかなくて15人とか、田舎ってそんなもんでしょと思っていたのに。
至って平均的な人数の机と生徒たち。
セーラー服と学ラン合わせて32人が迎えてくれた、八木坂(やぎさか)高等学校2年C組。
「───あっ!!!」
それはぼんやりと立っていた私を引き寄せてくる、風船が割れるような声だった。
ガタッと、中央付近の席から勢いよく立ち上がった1人。
私も聞いてすぐ、どこかで覚えがあるな……と、嫌な予感がよぎる。
「と言われればっ、いうえお!!」
………くっだらない返事。
このクラスの男は基本、バカでアホでうるさいんだと知った。