追いかけろ、青。
似ている。
いつかに“味方はいる”と言ってくれたのが、このバーチーだった。
イヤらしさを感じなく、母親のような何かを初めて感じて、嫌な気はしなかった。
それは今も変わらないどころか、逆に膨らむだなんて。
「だからあたしは、第一種奨学金を無利子で受けた。勉強しか取り柄がないことを唯一の武器にしてね。
そんな子が今や教師だって。…なかなか面白いでしょ?」
「…………」
「早見。お金がない、迷惑はかけられない、それは本来、未来ある子供が考えることじゃない。
でも…それを考えられる立場にいることは悪いことでもないよ。足りないところからのスタートってのは、必ずいずれ自分の糧になる」
私も、彼女のようになれるだろうか。
周りに流されない。
ぶれない軸を立てて、自分の経験を元に何かをアドバイスできるような人間に。
「進学、考えな。前は進学校だったなら尚更……お父さんの気持ちもあるだろうし」