追いかけろ、青。




しかし淡々と放たれた言葉により、クラスメイト全員は黙り込むしかなかった。


知っている人間が知ってさえいればいい。
結果は必ず結果として付いてくる。

だったらその結果を作るために、今現在で必要なことを着実に積み上げていくしかないだろう。


友利といつもつるんでいた男は、そう私たちに伝えてきた。



「離せ。俺たちにこんなことしてる暇ねーから」


「……泰希…、」



このやり取りさえ彼らにとっては無駄な時間だと。

森さん含めた野球部たちは、颯爽に教室を出て行った。



「……んだよ、あいつら…」


「チームメイトを大事にしないチームなんかが、勝てるわけねーよ」


「もう放っとこーぜ。あんな冷たい奴らだとは思わなかったわマジ」



だけど、私は知っている。

どうして毎日のように友利が早退するのか。
そして、野球部たちの言葉の意味。


私はすべて、この目で見ている。



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