追いかけろ、青。




「でも洸大の場合はあれだろ。クリスマスに後輩ちゃんと別れたから、まだ傷心ぎみってだけだよな」


「おい泰希(たいき)、その情報は言わなくていい選手権ぶっちぎりの1位だわ」


「あっ、わりーわりー。傷口に塩塗ったか」



ともり、こうだい───。


人の良さそうな笑顔。

見てわかるとおり、男子からも女子からも名前を呼ばれる中心的人物。


普通に異性的な面でも人気が出るだろうな、このタイプは……と思わせてくる、素朴でありながらも良く見るとハッキリした目鼻立ち。



「どうだい早見さん。今はまだ退屈に感じるかもしれないが、都会の高校とはまた違った賑やかさがあると思うよ。こっちは」


「……はい」



先生までそんな目をしてくるんですね。

あの伯母はおしゃべりな人だから全容を聞いているとは思うけれど、ここでそんな目をしなくたっていいじゃないですか。


可哀想、お気の毒に、大変だね───って言いながらも、指を差しながら笑ってくるような目。



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