追いかけろ、青。




彼の身体を第一に考えた上での、監督だって苦渋の決断だったのだろう。

だとしても……くやしいね、友利。



「よしっ、送ったぞ…!!」


「いいぞ…!まだ1アウトだ!!」



前田くんは送りバント成功。

2累ベースを踏んでいた主将を3累まで送り、役目をきちんと果たした。


アウトカウントを表記する赤色がひとつ。
3回アウトで攻撃は終了を迎えてしまう。


1アウト、ランナー3累。

まだチャンスはある。
ヒットさえ出れば1点だ。


────そんなとき。



《ここで選手の交代を告げます。八木坂高校6番、ショート西川くんに代わりまして。代打───友利くん》



………え?

だい……だ……?


本来6番に入ろうとしていたチームメイトとパシッと手を合わせた、1人の選手。

ヘルメットを被って、バットを手にし、バッターボックスへと向かってゆく。



「えっ、嘘だろ…!?友利……!?」


「まじかよ…!!ここで使うのかよ!!」


「てか怪我は!?復活はやすぎじゃね…!?」



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