追いかけろ、青。




そう、実は今日の準決勝。
友利の姿もここには無かった。


だとしてもまだ治療を始めて20日も経っていない。

本来であれば、最低でも3週間は安静にしていなくてはいけないというのに。


それでも彼は昨夜、私の家にまで来て笑ったのだ。



『スタメンではないけど、一応はベンチ入りしたんだ』



しっかりと縫い付けられた試合用ユニフォームを手にして、私に見せてくれた。


だいぶ感覚は戻って来たと、少しずつ部活にも参加していると。


それは私も知っていた。

けれどさすがに背番号が渡されるとは想像していなくて。



『番号…は、』



おそるおそる聞いてみると、困ったように微笑んだ友利は背中面に変えた。


そこには、2、と表記されていて。

右隣に0がくっついている数字だとすぐに理解する。


スターティングメンバーは9人。

ベンチ入り含めて、番号付きのユニフォームを着用できる選手は20人。


そのギリギリ20番を渡された友利。



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