追いかけろ、青。
なにそれ。
すっごいヤラシーよ。
「死んだから、親戚がいるこの町に来たの。……他に何か知りたいことはある?」
どうして死んだの?
事故?病気?
なんでも答えるよ、今なら私。
プライベートがないってね、こーいうことなの。
私にここまで話させるってことなんだよ。
「あ…、いや……、ご、ごめん…なさい…」
「っ、てか先生!早見さんに部活紹介とかしてやったらいーじゃん!!」
「あ、ああ。そうだな」
どーせ1年だけなんだから、いーの。
神経と体力使ってまで周りに合わせるくらいなら、いっそのこと嫌われたほうがマシ。
「………、」
やば、最悪な男と目が合った。
パッと逸らしたから一瞬だけのはずが、どういうわけか数秒間合わさったあとに似た感覚が残る。
どうしてそんな目で見てくるの───…。
それまで向けられたものとは違う、私をまっすぐ正面から射抜こうとしてくるものだった。
32人のなかで覚えられた顔と名前は、その友利 洸大って男と宮田 まりなさんのみ。
わざわざ総合の時間を私なんかのために潰してもらったのに、ごめんなさい先生。