追いかけろ、青。

「私…、ひとりっこ」


「知ってる」



知っている上で、その提案を出してきているとするならば。

ますます、いよいよ、意味が分からなくなってくる。



「知り合いも、友達も、そんな居ないし」


「それも知ってる」


「…そんな親切なひと、そうそういないよ」



あの家を出た先の私を、ひとりぼっちにしない人だなんて。

どれだけ親切なの。
どれだけ優しいの。


それはね、それは、そんなの、逆に申し訳なくなってくるから。



「あーほ。親切、とは受け取んなって」


「だってそんなの、」


「んなら、その相手自身が望んでることだったとしたら？」



だれなの、その人は。

私なんかのそばに、隣に、いてくれようとしている人は。



「……友利、」


「なに？」



すぐに返ってくる。

神妙な顔で伺うようにして、そこまで何か期待しているのかと、気が抜けそうだ。



「それは……たぶん、私が男だったら問題なかったね」


「…………」



あいにく女なんだ、私。

さすがにそこで「そうしよう、そうしたい」なんて安易に言えないよ。