追いかけろ、青。
「生意気で気難しくて、無愛想」
「……は?」
「あと、常にツンツンしてるつれない奴」
ひと……?
私はてっきりゲームだとか、CDだとか。
そっちを想像していたというのに。
「滅多に笑ってくれねーけど、たまに可愛いとこもあって」
「………」
「そんで俺のことを…誰よりも応援してくれる」
思い出し笑いをしながら、次から次に出てくる特徴。
じっと見つめていると、スッと友利の眼差しが動いた。
私を捉えて、ふわりと優しく伸びて。
「でも、いつも……心では泣いてる奴」
いくらなんでも物好きすぎる。
誰が聞いてもそんな女の子、魅力的になんか映らない。
そんな子のどこが欲しいの?
疲れるだけでしょ、って。
私だったらね、私だったら、そう言うよ。
少しでも森さんに当てはまったら、サヤカちゃんに当てはまったら、私は軽く応援できたのかもしれないけれど。
「…口説いてるの、その子のこと」
「うん。口説いてる」
ほら、おそろしい。
世の中にはこんなにもまっすぐなものがあるんだって怖くさせてくる、目。
必死に取り繕った鎧など、簡単に剥いでしまう。