追いかけろ、青。




「ミユはただ、あたしの見えるところにいればいい。一緒に行くよ、甲子園…っ!!」



「───…男前すぎだろ、もう」




ねえ、静奈。

俺ね、教えるのが上手いんだって。
俺の教え方はすごく分かりやすいんだって。


プレーする側じゃなくとも、選手側じゃなくとも。

サポート側にまわるトレーナーだったり、たとえば少年野球の監督やコーチ。


そんな形でもまた野球ができたりするのかなって言ったら、お前はどんな顔してくれる?



「こんなだけど、今の俺…、前よりは格好いい…?」


「……あたしのヒーローは、ずっとずっと格好いいんだから!」


「…シズナもかわいーよショートヘア。…ねえ、いつものとこでジュース買って帰ろうよ」



甲子園のチケット、逃さないように予約しなきゃな。

甲子園球場はここからかなりの距離だ。


俺は必ず行けるって信じてるよ。
ぜったい連れて行ってくれるって。


静奈、俺にとってもお前はヒーローだからさ。



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