追いかけろ、青。




見ていて見苦しいよ。

ベスト8にまで入ったって自慢してくるなら、「それなり」なんて言うべきじゃない。


それは自分たちの功績に泥を塗っているだけだ。


たまたま、まぐれ、
だから私はそうだったんだねって思うよ。



「あ、それも失礼かな。草野球の人たちだって心から楽しんで精いっぱいやってるだろうし」



草野球の人たちに、失礼だったね。

次から次に煽っていく私を肯定するかのように、友利 洸大は瞳を落としてから小さく口を開いた。



「俺、中学まではピッチャーやっててさ。中2でエースまで張ってて、…だから高校からなんだよ。キャッチャーに転向したの」



野球のことは、わからない。
ポジションのことも詳しくは知らない。

でも主人公から補佐的な役割へと転向した内容だけは、聞きたいと思った。



「ほんとは……甲子園出場の常連校でもある、若戸学園に行きたかった」



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