追いかけろ、青。
ホッとしなきゃダメでしょ、私。
確かに進学するつもりだったよ去年までは。
そのために進学校に通ってたんだから。
でも、できなくなったものは仕方ないでしょ。
親戚にこれ以上の迷惑をかけることもできないし、お金だって出してもらうわけにはいかない。
お父さんの遺産の在り処も行方も、よくわからない。
まさか私が高校を卒業したあとの選択肢として、就職がまず初めに来ることになるなんて思いもよらなかった。
「えっ、でもあれなの?やっぱり早見さんは卒業したら横浜に戻っちゃうの?」
「……わかんない」
「そっかー。できれば居て欲しいけどね~」
「え…?」
「なんかさ、もっと仲良くなりたいの。ここを出会いにして、拠点にして、この先ずっと!」
やっぱりこの子は、いい子だ。
ハーフツインテールをした髪型だったり、男子に話しかけられると声が1トーン上がるところだったり、色がバレバレなあざといリップだったり。