追いかけろ、青。
マフラーの下にネックウォーマー。
暖かさを重視した私を見て、察したそいつは照れくさそうに視線を逸らして首を掻いた。
ジャージや練習着姿ではない違和感。
身長もある友利は、学ランになると若干の尖り&謎の初々しさがある。
「あれ?自転車は…?」
「ん?ああ、月曜はいいかなって」
なるほど。
これからも私と歩くつもりなんだ。なぜ。
「…でも放課後は必要なんじゃないの」
「俺にとってそんな必須ではねえかな。ただ荷物乗せれるし、便利ってくらい」
この近辺の高校は八木坂高校だけ。
偏差値で選ぶか、距離で選ぶかの2択なのだと。
そのため小学校からの幼なじみ同士です!が、わりと居るらしい。
だからほら、今だって「洸大が女子と歩いてるぞ!」なんて目を向けてくる他クラスらしき男子生徒がちらほら。
ただもう、高校生。
友利も後輩と付き合っていた経験を持っているからか、スルースキルは心得ていた。
「もうすぐ春休みだなー」
「…うん」
「憂鬱?」
「……うん」