追いかけろ、青。
いつかにクラスの女子が予言していたことが的中だ。
複雑に思う3年生もいる。
本当は目指していた3年生だって、いる。
「卒業前にこんな気持ちにさせんじゃねーよ……」
「……すみません」
やるせない思いをぶつけるように強めに壁を叩いた3年生。
握ったこぶしの震えが、その3年生の過ぎ去った夏を表していた。
「…おまえ、中学のときのこと忘れたわけじゃねーよな。久賀(くが)の気持ち考えたことあんのかよ」
「………、」
「お前より才能あった久賀の人生潰しといて……まじ最低だな」
それだけ最後に吐き捨てて、片方は階段を降りて行った。
立ちすくんだ背中が考えられないくらいに小さい。
自分の影に視線を落とす後ろ姿が、友利のものだとは思えないくらい、消えそうだった。
──────カタッ。
……あ、やばい。
すぐに振り返って、離れた場所から見上げてきたクラスメイト。