Am6:30

あたしは、お母さんの次に早起きをする。

親父と顔を合わせない為に。



―――想像以上に酷い顔だな―――


鏡の中には、まるで試合を終えたボクサーのような、あたしが写っていた。

まぶたは、だらりとさがっているし

口の中は切れて血の味がする。


左のほっぺたは、緑色をしていた。

メイクを頑張って乗せてみたら、
刑事ドラマで見た、
死体のような顔になった。



仮病を使って学校を休もうかな?

ふとそんな事を思ったけれど、すぐに思い直した。

駄目だ、家に居たほうがろくな事が無い。

すぐに思い直して、
お母さんの作ってくれた、朝食を食べながら
学校に行く決心をした。




「顔‥大丈夫?」

消え入りそうな声で聞いてくる母親に、
頷いて見せた。


―――心配してる、振りなんて、すんじゃねーよ―――


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