奏
「姉貴は要領が悪いからな」
朝食を終えて、家を出ようとしたあたしの背後から、馬鹿にしたような
弟の瞬(しゅん)の声がした。
―――要領がいいって、そんなに偉いのかよ?―――
口にしようと思った言葉を飲み込んで、
「行ってきます」と呟いた。
瞬と、朝から喧嘩をしてる場合じゃない。
清水先輩の顔が見たい!
朝食を終えて、家を出ようとしたあたしの背後から、馬鹿にしたような
弟の瞬(しゅん)の声がした。
―――要領がいいって、そんなに偉いのかよ?―――
口にしようと思った言葉を飲み込んで、
「行ってきます」と呟いた。
瞬と、朝から喧嘩をしてる場合じゃない。
清水先輩の顔が見たい!