ズルいよ、藤堂くん
ここ1週間は起きてて。
授業も聞いて思われる、藤堂くん。
もしかしたら、意外と、
頭いいのかな?なんて感じがしてしまう。
そんな藤堂くんのお陰で。
英語の問題は、
無事に黒板に書くことが出来たけど。
──────私の心は、おかしくて。
『手、貸して』と言ってくれた、
藤堂くんのさり気ない優しさも。
身体が、包み込まれるように、
触れた、藤堂くんの体温も。
考えるのは、
ぜんぶ、藤堂くんのことばかり。
ねぇ、──────藤堂くん。
この、心臓が、
──────ドクン、ドクンって。
音を立てているのはどうしてだろう?
この時の私は、
まだ、知るよしもなかった........................