ズルいよ、藤堂くん


そう、反発のような言葉を出すと。



「早川さんの手は、いちばん柔らかいよ。
僕、こんな柔らかい手、初めて」



そう言ってニコッと笑うと同時。



離れていった藤堂くんの体温。



今まで、
耐えられなくて〝近い〟って思ってたのに。



〝癖になった〟とか、〝初めて〟とか。



私に向けられる〝特別な言葉〟のせいか、
なんだか、寂しく感じてしまった............っ。



(ぅ、私っ、てば、絶対変だ..................っ)



そう心の中で思ったところで。



「プリント、確認するから、
後ろの席のやつ、回収してきてくれー!」



教室に響くのは、
科学・生物担当の先生の声。


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