ズルいよ、藤堂くん
【05.】僕の目、見てよ
その日のお昼休み。
------------------ガラガラ
と、勢いよく扉を開けて入ったのは。
〝数学準備室〟とプレートに書かれた部屋。
「あっ、藍くんっ!」
そう、いつも通り名前を呼ぶと。
「おー、桃里!」
パンを咥えて、
私の方を向く、藍くんの姿。
数学教師とは思えないほどの顔だなぁ.........
.....................ってそうじゃなくって!!
「......っ、藍くん。そっ、相談があって、」
私は静かに言葉を発すると。
「おー、どした?」
そう言って、
私の頭にポンッと手を置く藍くん。