ズルいよ、藤堂くん
そんななか。
「おー、もっ、早川ここは、こうだぞ」
いつの間にか、私の席に来て、
ノートに書かれた問題を教えてくれる藍くん。
「あっ、ぅ、そう、なんですね、本橋先生」
藍くんと話しながら、
ムッとして、〝ニヤニヤしないで〟
そう伝わるように合図を送ると。
「ねぇ、早川さん。
センセーじゃなくて、僕の目、見てよ」
私の右手を、──────ギュッと、
優しく握って、来てそう言う藤堂くん。
その藤堂くんの、言葉にも、行動にも。
〝特別〟が含まれてる気がして、
──────ドクン、ドクンと鳴る心臓。
その光景を、
見てた藍くんが、こっそり私に.........
「嫉妬してんのかもね、俺に」
そう耳打ちしてきた。
こんなこと、絶対聞けないけど、
ねぇ、──────嫉妬ですか、藤堂くん。