ズルいよ、藤堂くん
「〜〜っ、」
わざとらしく、耳元で囁くとかっ‼︎
藤堂くんの言葉が、直接、脳に響いてきて。
隣の席よりも、
ずっとドキドキするよ.....................っ。
もう、ドキドキが、
抑えられないままでいると。
「早川さん、かわいすぎるね、」
ふと、顔を上げてそう言った藤堂くん。
ぶつかる視線は、凄く近くて、逸らせなくて。
藤堂くんの顔が、
めちゃくちゃ近くになったとき。
「............んっ、」
気づいた時には、
くちびるに一瞬触れた柔らかい感触。
〝何が〟起きたのか分からなかったのに。
「ここ、予想通り、1番柔らかいね」
そう言いながら、
触れて来た場所は〝くちびる〟
〝ファーストキス〟なんて、
まだまだ先だと思ってたのに............
初めては、甘くて。
それと同時に、なんで、
藤堂くんがそんなことしたのか?って。
ねぇ、
──────分からないよ、藤堂くん。