ズルいよ、藤堂くん
***
「...............、ん」
鼻につく、
独特な香りで目が覚めた。
その先にいたのは.....................
「あ、早川さん起きた」
私のことを覗き込んでくる、藤堂くんの顔。
「〜〜っ、とっ、藤堂くん!?」
その距離に驚いてしまって、
慌てて、藤堂くんを押すように起き上がると。
----------------パシッ
と、どさくさ紛れに、
掴まれたのは、私の手首で。
「はぁーー、まじで心配したし、」
そのまま、
視線がどこ分からないまま、
ボソッと話し出す藤堂くん。
(藤堂くんに、心配されちゃうとか私......っ、)
そう、心のなかで思ったところで。