ズルいよ、藤堂くん
【03.】手、貸して
藤堂くんと隣の席になって1週間。
私は、藤堂くんと、
隣の席に不安しかなかったのに。
私の隣にいる藤堂くんは、
──────ここ1週間起きている。
相変わらず、
〝教科書シェア〟したままだけど。
今まで、
〝教科書を持って来ない〟もだけど。
そもそも、
〝授業を受けずに寝ている〟でも、
藤堂くんは有名だから。
起きていることが、
いっ、意外すぎる..................っ。
って、そんなこと思ったら、
藤堂くんに失礼かもだけどっ。
そんな藤堂くんをボーッと眺めていると。
「よーし、前回予告した通り、
山本から順番に答え書いてくれー!」
黒板の前に立つ、
英語の先生の声が聞こえてきた。