隣でぎゅっと、甘く。
***
それなのに........................
「『うん。ずっと起こしてよ』ってね、
晴くんに言われたの..................っ、」
今は、学校からの帰り道で。
親友の、
雪見つばきちゃんと、
一緒に帰ってるところ。
「えっ、えーーーっ!
あっ、相澤先輩がそんなこと言ったの!?
桜乃、それ絶対脈ありだから!!」
今朝のことを全部聞いた、
つばきちゃんが、そう叫ぶように言った。
「ぅ、でも、晴くん、前に、女の人がね、
部屋にいた。親友の彼女って言ってたけど、」
..................年齢も学年も2歳差の私と晴くん。
いくら、〝親友の彼女〟だとしても。
どうしても、
〝可能性はゼロじゃない〟と、
心のどこかで、思ってしまうわけで。