隣でぎゅっと、甘く。



「ねぇ、桜乃。一緒に、寝る?」



私が見てない隙に、
ベッドに移動して問いかけてくる晴くん。



「..................っ、うん。寝る、」



そう言って、晴くんのベッドに歩み寄ると。



──────グイッ!



と、引っ張って、
いつも通り抱きしめて来る晴くん。



「あーー、やっぱ桜乃の香り落ち着く」



そう言って、私をドキドキさせる晴くん。



でもね..............................



「っ、私は、晴くんの匂い、すきだよ、」



〝私の方がもっと好き!〟って気持ちで、
晴くんに向けて言葉を出すと。



「カフェmi-toで、昔限定発売してた、
〝栗の香水〟使ってる、からかな」



そう言った晴くんは、栗の甘い香りで、
──────私をぎゅっと、甘く抱きしめる。





fin.
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