鬼の生贄になったはずが、溺愛されています
「じゃあ、本当に食べないの?」


光鬼は度重なる質問にムッとしたように眉根を寄せた。
そうするとさすがに貫禄があって、ハナはたじろぐ。


「人間を食べる鬼も確かにいる。だけど鬼にも性格や好き嫌いってもんがあるからな。俺は食べない。」


光鬼はそう言うと少し強引にハナにイワナを手渡したのだった。
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