鬼の生贄になったはずが、溺愛されています
次から次へと光鬼へ向けて鍬や斧が振り下ろされる。
そのたびに持っていた斧の柄を使って攻撃をかわす光鬼。

さすがに人間よりも素早く、力も強いから少しも攻撃を受けていない。
そんな光鬼を見て村人たちは更にヒートアップしていく。


「殺さないと殺されるぞ!」


誰かが叫んだのを火切にして光鬼はあっという間に村人たちに囲まれてしまった。


「お願いみんなやめて!!」


必死に村人たちをかき分けようとするけれど、男たちはびくともしない。
光鬼が人々の真ん中でもだえ、血を流しているのが見えた。


「ハナ!」


その声にハッとして振り返るとそこには武雄が立っていた。
村の幼馴染で、誰よりもハナのことを理解してくれる人。
ハナはすぐに武雄へかけよった。
< 67 / 77 >

この作品をシェア

pagetop