Moonlight−月光−
「……うん?」
何かを決心したようにわたしの瞳を真っ直ぐ見つめる。
「…なんかあったら、なんでも言えよ」
本当に優しい人だ。
綺麗で純粋で一点の曇りもない、清々しいほど美しい瞳。
今にも吸い込まれてしまいそう。
どうしてそんなに優しいんだろう。
わたしと彼とでは何が違うのだろう。
どうしたら彼のようになれるのだろう。
ああ、広がってゆく。
溝が。
わたしのナカの黒い感情が。
…きっともう、元には戻れない。