Moonlight−月光−
「なんかごめんねぇ〜。うちのコが鈍臭くてさ〜」



そう言って、さっき落ちてきたウエーブ髪の子の頭をバシバシ叩く。



「災難だよね〜。こんな子に朝から怪我させられて」



「ほんとほんと。なんで学校きたんだろぉ」





女の子をゴミを見るみたいな目で見て、胸くそ悪いことをペラペラ言うこの女たちを見ていたら、腹の底がグチャグチャしだして気持ち悪かった。



なんでこいつらこんな偉そうなわけ?





「ほんとだよー。朝から最悪ー」




そう言いながらのらりくらり立ち上がる。


自分でもびっくりするほどの棒読み。



力を入れたときに左足首に少しの違和感を感じた。




女の子の肩がビクンと揺れる。




ざまぁという顔で女の子を見ている女たちに向かって、わたし渾身の笑顔を作って言ってやった。
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