自殺教室
これこそ夢の中なんじゃないかと思えてくる。
奈穂はそっと自分の頬をつねってみたけれど、それにはちゃんとした痛みがあって顔をしかめた。

どうやら夢じゃないみたいだ。
時計の針は3時30分を差している。

夜明けまでまだまだ時間がありそうだ。
外に連絡をとることはできないし、自力で脱出することもできそうにない。

後は朝になって誰かが来てくれるのを待つ以外に手はなかった。


「どうなってんだよ意味わかんねぇ」


一浩が悪態つきながら床に座り込み、壁を背もたれにして目を閉じた。
それを見ていると一気に疲労感が溢れてきて、私も普段の自分の席に座った。

机に突っ伏して目を閉じるとそのまま眠ってしまいそうだ。
このまま眠って目が覚めたときに自分のベッドの上に戻っていればいいのにと考える。

本当に眠気が襲ってきそうになったそのときだった。
かすかに音が聞こえてきて私の意識は覚醒していく。
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