自殺教室
制裁
それから一週間後の放課後、4人はそろって病院へ足を向けていた。
今朝のホームルームで奈穂が松葉杖で歩けるようになったと、先生から聞いたのだ。

退院してからもしばらくは松葉杖が必要になるらしい。


「千秋、起きてるかな?」


病院の入り口で珠美が小さな声で呟いた。


「わかんないけど、たぶん起きてるんじゃないかな?」


入院していると時間や曜日の感覚がなくなっていく。
昼間にぐっすり眠って夜起きてきてしまう人も多いみたいだ。


「もし寝てたらどうする? 明日にする?」

「珠美、怖いのか?」


さっきから病室へ向かう足取りが重たい珠美の、言い訳じみた言葉に豊が心配した顔を向ける。


「そ、そんなんじゃ……。ううんごめん、やっぱり少し怖いかも」


豊がそんな珠美の手を握りしめる。
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