自殺教室
だからこの4人で来てもピンと来ていない様子なんだろう。


「あれは千秋の仕業じゃなかったってこと?」


珠美が怯えた様子で呟いた。


「私の仕業? なんのこと?」

「千秋、気にしないで。きっと、私達だけが経験した特別なことだったと思うの。その経験があったから、私達は今4人でここに来ているの」


これ以上混乱を招かないように奈穂が口をはさむ。
あの出来事は実際に起こった。

交通事故で意識を失っている千秋の心の悲鳴が、あの現象を起こさせたのかも知れない。


「このメンバーって珍しいよね。みんな、仲良かったっけ?」


千秋の問いかけに奈穂は黙り込む。
そろそろすべてを告白するべきだ。

奈穂は自分たちの身に起きた奇妙な出来事を、千秋に聞かせたのだった。
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