自殺教室
千秋は話が進めば進むほど驚いた表情を浮かべ、時折黙り込んで、時折怯えた表情を一浩へ向けた。
話を聞いている間、きっと色々な感情がせめぎ合っていたことだろう。


「最後は私の番だった」


奈穂がすべて知っていてなにもしなかったことを千秋に謝罪する。


「千秋のイジメは私達4人が深く関わっていたと思う。本当にごめんなさい」


頭を下げる奈穂に続いて他の3人も頭を下げた。
説明をしている間にも何度も謝ったが、それでも足りない気持ちだ。


「ナイフで首を刺した時、すごく痛かったし苦しかった。死ぬのかもって思って、怖くて仕方なかった。こんな気持を千秋はずっとしてたんだよね」


珠美が目に涙がにじませて言う。
千秋はなにも返事をしなかった。

イジメの発端となった人物たちがこうして頭を下げている様子を、どんな気持ちで見ているだろうか。
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