自殺教室
☆☆☆

一浩からイジメを受けるようになったのは一ヶ月くらい前からだった。
突然「こいつカンニングしてる」と言われ始めて、それがあっという間にクラス中に広まってしまった。

もちろんカンニングなんてしていないと説明したけれど、一浩は信じてくれなかった。
実際に自分がカンニングしていたとしても一浩には関係ないはずなのに、どうしてそんなに怒っているのかわからなかった。

ただ、力では勝てないことだけはわかっている。
仲間もだんだんと遠ざかってきて戦う威力が失せてくるまでそう時間はかからなかった。

人間の心は毎日踏みつけられれば簡単に壊れてしまう。
そして、あの日がやってきた。

交通事故に遭った日、一浩は比較的静かだった。
時折陰口を言われるくらいで直接手を下してくることはない。

一浩が動かなければ他の子たちが動くこともないし、千秋は勉強に週中することができた。
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