自殺教室
☆☆☆

そうして交通事故に遭った千秋は数日前に目を覚ました。
目を覚ました瞬間、あぁ、目が覚めてしまったんだと落胆したことを覚えている。

自分なんてあのまま死んでしまえばよかったのに。
学校へ戻るくらいなら、死んでよかったのにと。

すべてを聞き終えたとき、珠美は泣きじゃくっていた。


「ごめんなさい。ごめんなさい」


と、何度も繰り返している。
奈穂はうつむいて肩を震わせ、豊と一浩も唇を引き結んで目に涙を浮かべている。

自分たちがしてしまったことは『ごめんなさい』で許されるものじゃない。
千秋の心はいくら謝罪したところで元には戻らない。
傷は永遠に残ってしまうだろう。
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