自殺教室
たとえこの先松葉杖なして歩くことができたとしても、心の傷までは癒せない。


「本当は……私達には謝る資格だってないのかもしれない」


奈穂が震える声で呟く。
声を出すたびに涙が滲んできて、床にシミを作った。


「そうだね。謝られたからって許せることじゃないよ」


千秋がハッキリとした声色で答えた。
一浩の体がビクリと跳ねて震える。


「俺たちはどうすれば……」

「これからずっと償ってもらう。私は学校へ戻ることに決めたから、まずはカンニングが嘘だったってことをみんなに伝えて」


一浩は何度も頷いた。
それくらいのことなら当然するつもりだった。


「靴も返して」
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