自殺教室
☆☆☆

そして、現在。
日付が代わって6月3日になっていた。


「千秋って交通事故に遭ってまだ入院中のはずだよね?」


奈穂の言葉に珠美が頷いた。


「そうだよね。昨日のホームルームで聞いてびっくりした」

「今のこの状況は千秋が犯人ってことか?」


一浩の言葉に奈穂と珠美が視線を向ける。
いつの間にか一浩は立ち上がり、腕を組んで黒板を睨みつけていた。


「今、千秋は入院中って言ったでしょう? 入院中の人がどうやってこんなことをするの?」


奈穂は呆れ顔だ。
入院中じゃなくても、こんな手の込んだことが簡単にできるとは思えない。


「じゃあなんであいつの名前が黒板に書かれたんだよ」

「それは……」


わからない。
奈穂は途中で言葉を切って首を傾げた。
一浩からの射るような視線を感じてうつむく。


「例えばさ」
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