自殺教室
ここに誰かがやってくるのを待つとしても、やけに時計の進みが遅い気がする。
目が覚めてからまだ1時間しか経っていないなんて、嘘だ。


「千秋について、考えてみようか」


そう言ったのは豊だった。
豊は自分の席に座り、疲れ切った表情を浮かべている。

奈穂と珠美も同じくらい疲れ切っていた。
みんながなんとなく自分の席に座ってから、豊はまた口を開いた。


「千秋が事故に遭ったのは6月2日の放課後。帰りの途中だったよな」


奈穂は頷く。
先生から聞いた話ではそうだったはずだ。


「車に轢かれたって言ってたよね」


珠美が声を震わせながらも参加する。
そう、それも聞いた。


「それじゃ、犯人を憎んでるってことじゃねぇのか?」


一浩の発言には全員が首を傾げた。
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