自殺教室
私たちの居痛雨天といえば安岡中学校2年B組の生徒ということくらいだ。
一浩は派手なタイプで学校でも授業に出たり出なかったりしている。

豊は一浩と仲がいいけれど、授業にはちゃんと出席していてどちらかと言えば真面目なタイプだ。
珠美は地味で目立たないタイプで、あまり自分から発言はしない。

今はこの状況で興奮しているのか、普段よりも口数が多くなっている。
でそして奈穂はごく一般的な生徒だった。

地味でも派手でもなく、そこそこ校則は守りながらもスカート丈を少しだけ短くしてみるとか、ちょっとした冒険はしている。
至って、一般的といえた。


「私たちの共通点は同じクラスの生徒ってだけだよね。集団催眠なんてきっとかかってない」


奈穂はそう言いながらスカートのポケットを探った。
いつもここにスマホを入れいてるから、癖でつい触ってしまうのだ。

でも、そこにスマホの感触はなかった。


「私、スマホを持ってきてないみたい」
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