自殺教室
咄嗟に窓の外を確認してみると、少し白みかけてきていた空が真っ暗に染まっている。


「嘘でしょ、真夜中に戻ってる!」


珠美は窓へ駆け寄り、両手で窓をドンドンと叩く。
もちろんそれはびくともしなかった。
外の景色も変わらない。


「もしかしてこれも千秋の仕業か?」


豊が誰もいない空間へ向けて呟く。
もちろん答えは帰ってこなかった。
でも、その可能性は高かった。

千秋はここに4人を監禁して、千秋について語らせようとしているのだから。


「さっきの一浩の言葉、嘘が混ざってたんじゃない?」


奈穂が一浩へ視線を向けると、一浩がギョッとしたように目を見開いた。


「う、嘘なんてついてねぇよ!」


その言葉が放たれた瞬間、またカチッと音がした。
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