自殺教室
「自殺だなんて、冗談だろ?」


豊も顔をひきつらせている。
だけど黒板に書かれた文字では罪を償えを書いている。

そして一浩の手からナイフが離れないのだ。
この状況を見ると、それしか考えられなかった。


「みんな見て、時計の針が止まってる!」


珠美がなにげなく時計に視線を向けると、その長針、短信、秒針のすべてが止まっているのがわかった。
このままじゃいつまで経っても夜が明けない!


「俺が自殺しないと時間は進まないってことかよ……」


一浩が震える声で呟いた。


「そんな……。千秋聞こえてるんでしょう!? 今すぐこんなことはやめて!」


奈穂が懸命に声をかける。
けれどやっぱり千秋からの返事が来ることはなかった。

千秋はこれからの展開をどこかで見ているのかもしれないのに。


「このまま朝が来なかったら、俺たちここで死ぬのか?」
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