自殺教室
一浩は千秋をイジメていたから選ばれたとわかったけれど、他の3人がなにをしたのかわからない。


「もしかして、イジメを加担してた?」


奈穂がふたりへ向けて聞くと珠美が顔をしかめて「そんなことするはずないでしょ」と答えた。
豊も同じようにしかめっ面をしている。
じゃあどうして選ばれてしまったんだろう。

他になにか理由があるんだろうか。


「でも、どうせ最後には死ぬってことなんじゃないのか?」


豊の問いかけに奈穂は黙り込んでしまった。
一浩が自分で自分に罰を与えるまで、時計の針は止まってしまった。

罪を告白するだけではダメだったのだ。


「それなら俺はこのまま死ぬ」


豊はそう言うと教卓へ向けて歩き出した。


「なにする気!?」


叫んだのは珠美だ。
豊を止めようとその肩に手を伸ばすけれど、届かなかった。

豊は教卓までやってくると自分からナイフを手にしたのだ。
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