自殺教室
「……千秋について話せばいいのか?」


奈穂は小さく頷いた。
黒板に書かれた文字は、最初からそう言っている。


「待って、ダメ、やめて!」


声を上げたのは珠美だった。
珠美はなぜか焦った様子で左右に首を振り、やめるように懇願している。


「どうしたの珠美?」


豊の告白に対してどうして珠美がこれほど反応をしているんだろう?
奈穂が首を傾げている間に、豊は自分と千秋の間に起こった出来事をゆっくりと話し始めたのだった。
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